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 地球緑化クラブは地球温暖化対策に向けた植林事業、砂漠緑化活動、企業CSR活動などをご提案いたします。事業規模の大小は問いません。企業、団体、個人のみなさまからのご要望に沿えるようなプロジェクトをご用意いたします。
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地球緑化クラブ~「5つ」の約束~

  • 1. 地球緑化クラブは非営利団体です。
  • 2. 現場をいちばんに考えます。
  • 3. 現地の人との関係を大切にします。
  • 4. 持続可能な活動を目指します。
  • 5. 技術向上を常に心がけます。

その2 流動の緑化方法

2-1、草原の回復

季節風で砂が激しく移動する
 流動砂丘を緑化することは、簡単なことではありません。しかし、自然の力を利用すれば労力は半分以下になります。クブチ砂漠周辺は強い北西の季節風が年間を通して吹きます。この影響で、砂漠は西から東へ広がっています。北西風は4月頃が最も強く、砂漠の砂は偏西風に乗り黄砂として日本までやってきます。クブチ砂漠などはこの北西風により広がっていきますが、逆にこの風を利用して緑を効率よく広げていこう、というのが私たちの緑化方法です。

 砂丘は北西風により、波のようなかたちで西から東へ移動します。こうして形成される砂丘は「砂丘の西斜面は常に表面の乾いた砂が飛ばされているので地下水位が高くなだらかな斜面になり、東斜面は常に乾いた砂がかぶるので地下水位は低く急な斜面になる」といった特徴があります。

 流動砂丘は気候(少雨・乾燥など)、地域産業などを考えると元ある草原に戻すことが最適と思われます。しかしながら流動砂丘の名のとおり、砂は風により移動します。この移動により植物を植えても根が露出し倒れてしまったり、逆に砂に埋もれるなどしてしまいます。
砂丘に埋もれ枝が
わずかに出るだけのポプラ
植生が回復すれば砂の移動を抑制することできますが、それまでにはある程度の期間が必要となります。もちろん、その前に多くの場合が倒れたり埋もれたりしてしまいます。ポプラなどの高木を植えることにより防風効果を生み、砂も舞い上がりにくいと考える人もいるようですが、これは間違いです。高木でも砂の移動には勝てません。木自身で砂を食い止めることは難しく、やはり倒れたり砂に埋もれてしまいます。

 これらの事情を考えると、緑化の前に砂の移動を止めることが必要であることがわかります。では植生が回復するまで、どのように砂を止めるのか。この技術に「草方格」というものがあります。草方格は麦わらなどの草や枝を碁盤の目状に地中に挿すことで、砂の移動を抑える砂防工法です
。草方格の砂防効果は絶大で、施工した場所の砂の移動はほぼ完璧に抑えることができます。しかしながら弱点もある。それは劣化が早いという点です。私たちの経験では麦わらを利用して施工した場合、5年前後で草方格はほぼ姿を消してしまいました。この間に植物を根付かせ、植生を回復させる必要があります。

草方格内で育ったヤンツァイ
 草原回復を目指す際、まずはじめに植えたい植物はマメ科の牧草です。これは土壌改良も兼ねるためです。マメ科植物がある程度生い茂れば土壌中の窒素分が増え、新たな植物を植えられるようにもなります。草方格が風化するまでに植被率を40%以上までにできれば、あとは自然の力(根萌芽や実生により)で回復・拡大できます(流動砂丘の植被率は15%以下)。なお、マメ科の植物については「砂漠緑化優良植物図鑑」をご覧ください。

 流動砂丘を草原へと回復させることは、牧畜業を主とする地元住民の生活に潤いを与える可能性が高いといえます。また、資材も現地にあるものを利用できるため、コストもほとんどかかりません。草原が広がれば、それだけ多くの資材が手に入ることにもなります。流動砂丘を草方格で固定し牧草地を拡大することで、現地の人々はより多くの家畜を飼うことが可能となります。つまり牧民達は流動砂丘を砂漠緑化という位置づけで草原化させるのではなく、生活のために行なうことになります。ボランティア活動で行なう緑化は資金や期間に限界があります。しかし、地域産業に結びついた活動であれば、無理なく拡大させていくことができます。

2-2、低木類による緑化

大きく育った沙柳
 地下水がある地域では、低木類の植栽も可能です。もちろん低木類も流動砂丘に直接植える事はできず、草方格をつくった中へ植栽することになります。

 低木類には換金性が高く、産業に結びつくものがあります。クブチ砂漠周辺を例にとると、沙柳、沙棘などが利用価値が高く緑化産業の可能性を秘めています。沙柳はパルプの原料になります。沙柳は高木と違い、根元近くで切り取ってもすぐに萌芽更新します。つまり非木材紙同様、環境に優しい紙をつくることができます。沙棘の実はビタミンが豊富で、健康食品として大変注目されています。また、沙棘はマメ科植物同様、根に空中窒素を固定する根粒菌を持つため、土壌改良にも大変効果的です。

 このほかにも牧草の1種だがマメ科の羊柴、アカザ科の梭梭といった植物は現地の人々の現金収入に繋がる重要な植物となります。
沙柳が原料の梱包材

 草原の回復もそうですが、流動砂丘を不要の土地から利用価値の高い土地に変えることがとても重要となります。流動砂丘があらゆる可能性を秘めていることが実証できれば、砂漠化の問題は意外と早く解決できるかもしれません。

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