プロジェクトパートナーの募集

 地球緑化クラブは地球温暖化対策に向けた植林事業、砂漠緑化活動、企業CSR活動などをご提案いたします。事業規模の大小は問いません。企業、団体、個人のみなさまからのご要望に沿えるようなプロジェクトをご用意いたします。
 みなさまのご期待以上の活動ができるよう、経験豊富なスタッフがご対応いたします。どうぞお気軽にお問い合わせください。

地球緑化クラブ~「5つ」の約束~

  • 1. 地球緑化クラブは非営利団体です。
  • 2. 現場をいちばんに考えます。
  • 3. 現地の人との関係を大切にします。
  • 4. 持続可能な活動を目指します。
  • 5. 技術向上を常に心がけます。

地理条件による緑化


 中国内モンゴル自治区において、私たちが実際に行っている緑化の方法や改良を重ねた技術などをまとめました。私たちは乾燥地で緑化を考えている方や、実際に行われている方々のお役にたつことができればと考え、できる限り現場の技術や情報を公開するよう心掛けています。ここでお伝えする内容は決して完成されたものではありません。今後も新しい技術や方法が、数多くの経験を通じて生まれることと思います。また、実際に緑化活動を行っている方々の中には、別の緑化技術を持たれている方もおられると思います。この項が多くの方の目に触れることで、また新たな技術や方法が生み出され、より効率的かつ実用的な緑化方法が広がることを期待しております。

地理条件による緑化の目次

その1 半砂漠の緑化方法

 はじめにお断りとして、ここでいう「半砂漠とは」一般的な気候部分での区別ではなく、砂漠化の恐れがある地域、砂漠化の兆候が見え始めた地域、流動砂丘に隣接する地域などを意味しています。

1-1、農地としての緑化、開発

 半砂漠の土地でも農業は盛んに行われています。私たちが緑化活動を行なっているクブチ砂漠周辺での一般的な農業は、広大な土地に飼料用トウモロコシ、コムギ、コウリャン、油用のヒマワリなどの栽培です。しかし、どの作物も安値で、唯一高く売れるコムギも水を比較的多く使うため栽培できる地域が限られています。したがって、人々は豊かといえる生活とは程遠い暮らしを強いられています。

収穫したスイートコーン
 では、どうすれば彼らを豊かにし、そして同時に緑化をすることができるのでしょうか。ここでのポイントは「今まで現地で行われてきた農業の技術を生かせるか」だと考えています。新しい最先端の技術を導入しても、現地の人々は対応できません。たとえ対応できたとしても、機材が故障したり資材が不足したりすれば、彼らの力ではどうにもできなくなってしまいます。 そこで私たちは、例えば飼料用トウモロコシをスイートコーンに変えるなど、今までの技術そのままで品種を変えればいいのではと考えました。実際、現地でスイートコーンの栽培を行ったところ、今までの農業技術で充分に対応できました。しかも、砂漠地帯特有の日中と夜間との寒暖差により、日本で栽培したものよりも甘いスイートコーンが収穫することができました。

 また、簡単な温室を建てることにより、冬場の仕事を確保することもできます。冬は-30℃近くまで気温が下がるため、放牧以外の仕事はできずにいました。
建設した温室
しかし、温室を建設することにより、冬場の仕事が可能になります。春先には温室で苗をつくることにより、より良い状態でしかも早く畑の仕事に移ることも可能です。さらにトウモロコシの茎を細かく粉砕したものをポット詰めし、キノコの菌を植え付け栽培すれば、また産業が生まれます。また、キノコの菌によって分解された菌床は、畑の有機肥料として利用することもできます。実際にヒラタケで栽培実験を行なったところ、問題なく発生させることができました。施設や道具も現地のものだけで行っているので、実用化は難しくありません。このように、植生が豊かではない地域において貴重な有機物を無駄なく利用することは、農業、牧畜業、そして緑化を行う上でとても重要なことであると考えています。

 灌漑ができるような比較的条件の良い地域においては、果樹園をつくることも可能です。もちろん乾燥地ということを考えると、栽培できる果樹は限定されます。また、こういった地域で栽培できる果樹は比較的容易に栽培できるものが多いため、安価で買い取られることとなります。
半砂漠に造成したリンゴ園
しかしながら、砂漠という農薬や化学肥料などにより汚染されていないという特性を生かせば、希少価値は高くなります。肥料は次項でご紹介する方法で、家畜のフンを利用することができます。

 果樹を植えることは、それだけでも緑化の役割を果たします。同時に果樹園や畑の周りに高木で防風林を造成すれば、さらに緑化面積は拡大することとなります。様々な利用方法が考えられる土地は、ただ植林を重ねて森をつくる事より、生産性のある緑化方法を根付かせるべきです。私たちは半砂漠での植林は道路や畑などの防風林をつくる程度で十分であると考えています。防風林という役割りを持っ木々であればきっと現地の人々も大切に育て、彼らの生活に溶け込んだかたちで緑化が進むことでしょう。

1-2、牧場としての緑化、開発

砂漠化が進む土地での放牧
 半砂漠地帯ではおもに放牧が行われてきました。しかし、家畜の数は年々増加し、今では過放牧の状態となっています。草は根までも食い尽くされてしまい、急速に砂漠化が進行しています。このままでは家畜を飼うことができなくなり、現地の人々の生活はますます貧しくなると考えられています。砂漠化の進行を止めるには、まず放牧する頭数を制限することが必要ですが、そうなるとやはり現地の人々の生活は苦しくなってしまうでしょう。

 このような地域では牧草を育て、草原の回復を図ることも必要になります。草原は砂漠化する以前の自然環境に近く、生態系の回復にも適しています。牧草となる植物を植栽し草原を回復させることができれば、家畜の頭数を増やすことも可能です。つまり、現地の人々が豊かになれる可能性も十分にあるということです。一方、砂漠化には貧困という問題も抱えています。草原の回復は、貧困対策にも効果があると考えられます。
大きく育った牧草が花をつける

 マメ科の牧草を用いることで、土壌改良も同時に行なうことが可能です。マメ科の植物は根に根粒菌を持ち空中窒素を固定化させる働きがあります。土壌が肥えてくれば、また新たな植物が栽培できるようになります。低木や草はポプラなどの高木と違い、実生やランナーでの自家繁殖が可能です。つまり一度根付かせてさえしまえば、自然の力で緑が広がっていくこととなります。自然が手助けをしてくれれば、牧民などの負担も軽減できるでしょう。

 私たちは家畜のフンにも注目しています。家畜小屋にたまったフンはとても優れた肥料です。これを畑に入れることにより有機物の再利用ができ、さらにより多くの作物が栽培できるようになります。有機物の利用を考えたとき、そのサイクルを保つことはとても重要になります。生産物を出荷するばかりだと、消費地ばかりに有機物が集まり、生産地の有機物は減少していくことになります。これを補うために化学肥料が用いられますが、化学肥料は人体に悪影響を与えるとされています。有機物のサイクルを乱さないためにも、人や家畜の排泄物を有効に利用することはとても重要だと考えられます。